1-2リストラされそう?兆候と最初にやること、退職勧奨と解雇の違い(第2節/全4節)
退職勧奨と解雇は別物
退職勧奨:応じるかどうかは本人が決める
退職勧奨は、会社が社員に「辞めてもらえないか」と働きかけることです。法律上は、社員が自分の意思で退職に合意するよう促す行為にとどまります。したがって、断ることができます。断ったことを理由に不利益な扱いをしてよい、という決まりはありません。
ただし、何度も呼び出す、長時間にわたる、大声や威圧を伴うなど、本人の自由な判断を妨げるほどの勧奨は、違法な退職強要とされることがあります。どこからが違法かは事情しだいで、個別の判断になります。面談での向き合い方は第9章で詳しく書きます。
解雇:会社の一方的な契約終了には厳しい制限がある
解雇は、会社が社員の同意なしに雇用契約を終わらせることです。主なルールは次のとおりです。
- 客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない解雇は無効(労働契約法16条)
- 少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を払う必要がある(労働基準法20条)
- 社員が求めれば、会社は解雇の理由を書いた証明書を遅滞なく渡さなければならない(労働基準法22条)
経営不振による人員削減(整理解雇)では、裁判例で次の4点が重視されます。①人員削減の必要性、②配置転換・出向・希望退職の募集など解雇を避ける努力、③対象者の選び方の合理性、④労働者側との十分な協議。
失業給付での扱い
ハローワークの基準では、「事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者」は特定受給資格者に当たります。解雇(本人の重大な責任による解雇を除く)も同じです。
一方で、以前から常に設けられている早期退職優遇制度に応募して辞めた場合は該当しないと明記されています。「希望退職」と名前がついていても、それが今回の人員削減のための募集か、常設の制度かで扱いが分かれうるということです。給付日数などの差は第11章で扱います。