4-2会社がリストラする理由|金利上昇・AI・社会保険料の負担(第2節/全6節)
理由2:AIなどで仕事の中身が変わる
生成AIなどの広がりで、事務、文書作成、問い合わせ対応、プログラミングなどの仕事の進め方が変わりつつあります。
厚生労働省の2025年版労働経済白書は、AIなどへの投資で事務的な業務を軽くし、労働生産性を上げる必要性を強調しています。一方で、AIによって雇用が大幅に減っているという裏付けは現時点では得られていないとし、海外ではソフトウェア開発やカスタマーサービスなどで雇用が減った例と、新しい事業で雇用が生まれた例の両方がある、と整理しています。
会社の側から見ると、次のような動きにつながる例がよく紹介されています。
- 定型的な事務や管理の仕事を減らし、人を別の仕事に移す、または減らす
- AIを使いこなせる人材の採用を増やし、年齢構成を入れ替える
- 「成長分野へのシフト」を理由にした希望退職の募集(第3章)
自分の仕事がAIでどう変わりうるかを考えることは、残る場合にも、転職する場合にも役に立ちます(第22章)。
理由3:社会保険料を含む人件費が重い
会社は、給与に加えて社会保険料の半分を負担しています。
- 厚生年金保険料:保険料率は18.3%で、会社と本人が半分ずつ負担します(2017年9月から固定)。
- 健康保険料:協会けんぽの場合、保険料率は都道府県ごとに決まり、会社と本人が半分ずつ負担します。
- 介護保険料:40〜64歳の社員の分は、会社と本人が半分ずつ負担します。
- ほかに、雇用保険料、労災保険料(全額会社負担)、子ども・子育て拠出金なども会社が負担します。
このため、会社にとって社員1人にかかる費用は、給与の額面より多くなります。給与の高い中高年の社員ほど、会社から見た人件費は大きくなる、という点が、中高年を対象にした希望退職の背景としてよく挙げられます。