27-1リストラ・退職勧奨のよくある質問と誤解(第1節/全4節)
この章の要点
- リストラの場面では、「こうすれば得」「こうしなければならない」という思い込みが、取り返しのつかない判断につながることがあります。
- 多くの誤解は、退職勧奨と解雇の違い、会社都合と自己都合の違い、書面の中身を確かめれば解けます。
- どの答えも一般的な説明です。個別の判断は相談先で確かめてください。
誤解1:「退職勧奨を受けたら、断れない」
断れます。退職勧奨は会社からのお願いで、応じるかどうかは本人が決めます。解雇とは法律上まったく別物です(第1章・第9章)。
誤解2:「退職届は早めに出したほうがいい」
自分から退職届を出すと、自己都合の退職と受け取られるおそれがあります。会社から勧奨を受けたなら、その経緯を記録し、合意書の退職理由の書き方を確かめてから判断します(第9章)。
誤解3:「会社都合になれば、何でも得」
会社都合(特定受給資格者)になると、失業給付の日数が増え、給付制限もかかりません(第11章)。ただし、割増退職金の額、退職日、有休、競業避止、清算条項など、合意書のほかの条件も合わせて比べないと、全体で損をすることがあります(第9章)。
誤解4:「希望退職に応じれば、必ず会社都合になる」
人員削減のための募集に応じた場合と、以前から常設されている早期退職優遇制度に応募した場合とで、扱いが分かれます。後者は特定受給資格者に該当しないと、ハローワークの基準に書かれています(第3章)。
誤解5:「競業避止の誓約書は、全部無効だから気にしなくていい」
退職後の競業避止は、必要で合理的な範囲でしか有効とされません。ただし、守るべき会社の利益、地位、地域、期間、行為の範囲、代償措置を総合して判断されるため、「全部無効」とは言い切れません。また、競業避止が無効でも、前の会社の営業秘密を使ってよいことにはなりません(第10章)。