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第14章退職勧奨を断って残ったら|配置転換・降格・追い出し部屋への備え

節ごとに読む:14-1 14-2 14-3 14-4 14-5

POINT

この章の要点

残った後に起こりうること

退職勧奨を断ったあと、次のようなことが起こる例が、指南記事や報道でよく挙げられています。

会社には人事権があり、配置転換や評価そのものが直ちに違法になるわけではありません。問題になるのは、それが退職に追い込む目的だったり、必要な範囲を超えていたりする場合です。

どこから違法になりうるか

配置転換・出向

配置転換は、業務上の必要性がない場合、不当な目的(退職に追い込むなど)がある場合、本人に通常我慢すべき程度を著しく超える不利益がある場合には、権利の濫用として無効になりうる、と一般に解説されています。

遠方への転勤

残ると決めても、遠方の事業所や関連会社への転勤を命じられることがあります。退職勧奨を断った後に起こる例として、よく紹介されています。

遠方への転勤が撤退ラインにあたるかどうかも、先に考えておきます(下の「撤退ラインを先に決める」)。

降格・減給

就業規則や賃金規程に根拠がない降格・減給や、合理的な理由のない大幅な減給は、無効とされることがあります。規程の中身を確かめます。

パワーハラスメント

厚生労働省は、職場のパワーハラスメントを、①優越的な関係を背景とした言動で、②業務上必要かつ相当な範囲を超え、③労働者の就業環境を害するもの、と定義しています。その典型例として、精神的な攻撃、身体的な攻撃、過大な要求、過小な要求(能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事しか与えない、仕事を与えない)、人間関係からの切り離し、個の侵害、の6つを挙げています。

会社には、パワーハラスメントを防ぐための措置(方針の周知、相談窓口の設置、起きたときの適切な対応)が法律で義務づけられています。大企業は2020年6月、中小企業は2022年4月から義務になりました。

繰り返しの退職勧奨

断っているのに執拗に続く勧奨は、違法な退職強要とされることがあります(第9章)。

どの場合も、違法かどうかは個別の事情で判断が分かれます。

心身を守る

残りながら転職の準備を進める

残ることを選んでも、外の選択肢を持っておくと、心の余裕が変わります。

撤退ラインを先に決める

残る前に、「これが起きたら辞める準備に入る」という線を、具体的に書いておきます。例:

線は人によって違います。大事なのは、状況が悪くなってから考えるのではなく、冷静なうちに決めておくことです。撤退ラインを越えたら、段階C(支援を使う)に進みます。

相談先

記録

この章で記録しておくこと

CHECK

この章のチェックリスト

出典

事実の確認表

主張 出典 確認日
パワハラの定義(3要素)と6類型(過小な要求、人間関係からの切り離しを含む) 厚生労働省 長野労働局「職場におけるパワーハラスメント防止のために」https://jsite.mhlw.go.jp/nagano-roudoukyoku/content/contents/powerharassment-boushi20240806.pdf /京都府 https://www.pref.kyoto.jp/kyoroi/harasumento.html 2026-09-30
防止措置の義務:大企業2020年6月、中小企業2022年4月 同上 2026-09-30
配置転換が権利の濫用で無効となりうる3つの場合 判例に基づく解説が一致(判決原文は未確認) 2026-09-30
根拠のない降格・減給は無効とされることがある 弁護士の解説記事の一般的な見方 2026-09-30
残った後に起こりうる扱いの例 指南記事・報道 2026-09-30
育児・介護休業法26条:転勤で子の養育・家族の介護が困難になる労働者の状況に配慮する義務(転勤させないことまでは求めない、との施行通達) 労務ドットコム https://roumu.com/archives/51463241.html /BUSINESS LAWYERS https://www.businesslawyers.jp/practices/569(条文・通達の引用。e-Govの条文は本章では未確認) 2026-09-30
就業規則に転勤の定めがあり勤務地限定の合意がなければ転勤命令は原則有効とされやすい 契約ウォッチ「転勤命令」https://keiyaku-watch.jp/media/kisochishiki/tenkin/ ほか解説記事の一致 2026-09-30
参考

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