第23章40代・50代の履歴書と職務経歴書の書き方|実績の数字化
この章の要点
- 職務経歴書は「経歴の一覧」ではなく、応募先で何ができるかを示す提案書です。応募先ごとに、冒頭の要約と強調する実績を変えます。
- 実績は数字で書きます。数字がなければ、前後の変化を具体的に書きます。
- 履歴書は、厚生労働省の様式例も使えます。性別は任意記載で、通勤時間・扶養家族数・配偶者などの欄はありません。
履歴書
厚生労働省は2021年4月に履歴書の様式例を作りました。性別の欄は「男・女」を選ぶ形から任意記載に変わり、「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の欄はなくなっています。市販の様式やサイトの様式を使ってもかまいません。
履歴書で気をつけること: - 学歴・職歴の年月を、職務経歴書と食い違わないようにする - 退職の予定・退職日が決まっていれば書く - 資格は正式な名称で
職務経歴書の構成(例)
- 職務要約(3〜5行):何の仕事を何年、どんな強みがあるか。応募先ごとに書き換えます。
- 活かせる経験・スキル(箇条書き3〜5個):棚卸しの「持ち運べる力」「専門の技術」から、応募先に合うものを選びます(第22章)。
- 職務経歴:会社・期間・部署・役職ごとに、担当業務と実績。新しい順(逆年代順)か、職種ごとにまとめる形(キャリア式)かを選びます。
- 資格・ツール
- 自己PR(任意):応募先で何をしたいか。
分量はA4で2枚程度が目安とよく言われます。
実績の数字化
| 書き方の例 | 弱い | 強い |
|---|---|---|
| 営業 | 大口顧客を担当 | 年間売上○億円の顧客○社を担当し、3年で売上を○%伸ばした |
| 管理 | 部下の育成に尽力 | ○人のチームを率い、離職率を○%から○%に下げた |
| 改善 | 業務効率化を推進 | 月末の締め作業を3日から1日に短縮した |
数字は、前の会社の秘密にあたらない範囲で書きます。社外に出せない数字は、割合や規模感(「年商○百億円規模の事業」など)に置き換えます(第10章)。
AIで職務経歴書を作るプロンプトの例
棚卸しの結果(第22章)ができたら、AIに下書きを作ってもらい、自分で直す方法もあります。次の文の〔 〕を置き換えて使います。
あなたは中途採用の書類選考に詳しい人事担当者です。次の情報から、A4で2枚程度の職務経歴書の下書きを作ってください。
【応募先】〔会社の業種・募集職種・求人票の必須と歓迎の条件〕
【私の情報】〔年齢、職歴(会社・期間・部署・役職)、棚卸しでまとめた業務と成果、資格・ツール〕
構成:
1. 職務要約(3〜5行。応募先の求める経験に合わせて)
2. 活かせる経験・スキル(箇条書き3〜5個)
3. 職務経歴(新しい順。業務と、数字で示した実績)
4. 資格・ツール
5. 自己PR(応募先で何をしたいか、200字程度)
条件:
・実績は「何を・どれだけ・どう変えたか」が分かるように書く
・社内用語は一般的な言葉に言い換える
・前の会社を悪く書かない。退職理由は書かない
・私が書いていない経験や数字を作らない。足りない情報があれば、下書きの前に質問する
下書きができたら、次のように見直しを頼めます。
この職務経歴書を、〔応募先の業種〕の採用担当者の目で読んでください。
1. 書類選考で伝わりにくい点、長すぎる点、抽象的な表現を指摘してください。
2. 40代・50代の応募者として懸念されそうな点(年下の上司、新しいやり方への適応など)があれば、それに答える書き方を提案してください。
3. 直した版を出す前に、事実と違う可能性のある箇所を私に確認してください。
AIに入れてはいけないものと、出てきた文の確かめ方は、第22章の注意と同じです。
40代・50代で気をつけること
- 長さより絞り込み:経歴が長いぶん、全部書くと焦点がぼやけます。応募先に関係の薄い経歴は短くまとめます。
- 管理職の経験:「部長」という肩書きより、何人を、どんな状況で、何を変えたかを書きます。
- 学び続けていることを示す:最近学んだこと、使えるようになったツールを書きます。
- 退職の理由:書類には詳しく書かなくてよく、面接で短く説明します(第24章)。
よくある失敗
- 全社共通の1通を、どの応募先にも使い回す
- 社内用語・自社のシステム名のまま書く
- 実績が「担当した」「尽力した」で終わり、結果がない
- 誤字脱字、年月の食い違い
相談先
- ハローワーク(応募書類の相談)
- 再就職支援会社(利用できる場合)
この章で記録しておくこと
- 応募先ごとに出した職務経歴書の版(ファイル名に日付と応募先)
- 書類の結果(通過・不通過)と、通った版の特徴
この章のチェックリスト
- 履歴書と職務経歴書の年月をそろえた
- 職務要約を応募先ごとに書き換えた
- 実績を数字(または前後の変化)で書いた
- 社外に出せない数字を置き換えた
- 出した版と結果を記録している
- AIの下書きを、事実と違う点がないか自分で確かめてから使った
事実の確認表
| 主張 | 出典 | 確認日 |
|---|---|---|
| 厚労省の履歴書様式例(2021年4月):性別は任意記載、通勤時間・扶養家族数・配偶者・配偶者の扶養義務の欄を削除 | 厚生労働省「履歴書様式例」https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/04.pdf /労務ドットコム https://roumu.com/archives/107196.html | 2026-09-30 |
| 職務経歴書の構成・分量・書き方 | 指南記事の一般的な方法 | 2026-09-30 |
参考にした記事
- 労務ドットコム「厚労省 履歴書の様式例を作成」https://roumu.com/archives/107196.html(様式例の変更点)
- 社労士ネット https://www.psrn.jp/topics/detail.php?id=15388(様式例の解説)